本書は、戦後占領期に発行された地方総合文芸雑誌の全貌を把握し、同時代の各地方における言論と表現の諸相を明らかにする。
戦争で大切な生命と財産を失い困窮生活を強いられた人々は、その悲しみや苦悩をどのように克服しようとしたのか?
本書の効力……
1. 地方と中央とのあいだにある情報の力学を明らかにし、地方の雑誌が戦後日本の新しい社会・文化・風俗の形成に果たした役割を検証することができる。
2. 戦後占領期における人と人とのネットワーク、同人グループや文化団体の交流、そして遠隔地に生きる人々がさまざまなかたちで横の連携を深めていく様子が見えてくる。
3. 戦後占領期に萌芽した雑誌出版文化が、1950年代以降の地方文化運動、サークル運動、職場雑誌、ミニコミ雑誌などの隆盛に貢献した事実を明らかにしている。
『占領期の地方総合文芸雑誌事典 上巻 東日本編(北海道~三重県)』
220頁 ISBN978-4-910363-72-1 12,000円
『占領期の地方総合文芸雑誌事典 下巻 西日本編(滋賀県~沖縄県)』
238頁 ISBN978-4-910363-73-8 13,000円
『占領期の地方総合文芸雑誌事典 別冊』
*タイトル索引、人名索引、資料保存機関一覧、書影一覧
104頁 ISBN978-4-910363-74-5 3,000円