*文圃文献類従 63*[編集復刻版] 大尾侑子 編・解題
カストリ雑誌考【完全版】 【全一・別巻】
戦後70年が過ぎ、「平成」という一時代が終幕を迎えるいま、
〈敗戦/終戦〉の記憶を刻み込んだ「カストリ雑誌」は、
文学研究、メディア研究、都市研究、社会学、美術史といった
学際研究の先端においてその存在感を放っている。
愛書家・古書店経営者として知られる斉藤夜居(1924‐1988)が
私家版で発行した戦後カストリ雑誌に関する論考を編集し、一考に成。
付録資料として、本書で引用したカストリ雑誌の出版状況がわかる記事を収録。
「趣味」として発行された限定ガリ版誌を「研究」資料として、
ここに共有資源化する試み。
「カストリ雑誌研究の嚆矢」として
後続の研究に大きな影響を与えてきた本資料。
しかし、限定本ということもあり、現物へのアクセスは容易ではなかった。
今回の復刻刊行は、まずもってこうした重要文献の死蔵を防ぎ、その公開性を高める。
1巻(274頁)ISBN 978-4-909680-02-0
『カストリ考―肉体小説と生活風俗より見た戦後のカストリ雑誌』(此見亭書屋、1964年)
『続・カストリ雑誌考』(此見亭書屋、1965年)
別巻(78頁)ISBN 978-4-909680-03-7(別巻のみ分売可2,000円)(僅少)
附録資料
愛住三郎「カストリ雑誌興亡史」
(「秘版 艶本の研究」『別冊・人間探求』1952年5月号、第一出版社)
笠野馬太郎編「戦後取締られた風俗出版物総目録」
(『近世庶民文化』21号、近世庶民文化研究所、1954年2月)
笠野馬太郎編「続 取締られた風俗出版物」
(『近世庶民文化』21号、近世庶民文化研究所、1954年4月)
内容見本
『カストリ考―肉体小説と生活風俗より見た戦後のカストリ雑誌』
『続・カストリ雑誌考』
新組附録資料
解題「『カストリ雑誌考【完全版】』復刻の意義と斉藤夜居の仕事」
出版社名/雑誌名索引
編・解題ー大尾 侑子(日本学術振興会特別研究員PD)
造 本ーA5判 糸上製函/並製(別巻のみ)
総352頁
揃 価ー20,000円