書籍や雑誌の営業者組合が結成され機構的にも整備されていく明治20年以降の近代出版流通の様相は、柴野京子編『出版流通メディア資料集成―書籍雑誌業団体史編』(小閣、2011)により把握が容易となった。
では、それ以前の明治前期の読者と本をめぐる関係はどのようなものだったのか?
「正式」な記録として残されていない明治前期の本屋の風景・東京の書店像への手掛かりとなる記述/情報データを一冊に集成・整備する。
●本書の構成……
◎朝野文三郎『明治初年より二十年間 図書と雑誌』
〈附録復刻資料〉
「書籍組合及書誌の変遷」
(『図書月報』2巻9号、東京書籍商組合事務所、1904年6月)
「書籍組合及書誌の変遷(承前)」
(『図書月報』2巻10号、東京書籍商組合事務所、1904年7月)
「明治初年東京書林評判記」
(『古本屋』3号、荒木伊兵衛書店、1927年11月)
〈附録新組資料〉
「明治前期の東京出版業者名寄せ」
解題「出版史料としての〈物語〉
―付「博文堂書店創立願」と明治二十年代の博文堂」
「明治前期の本屋・人名索引」
本文の記述を補う附録
「明治前期の東京出版業者名寄せ」は
170頁にもおよぶ……
組合文書や営業案内などの資料から
八七八人の明治前期出版関係人物情報を整備。
五十音順に配列された本附録により
時期的変遷の一覧が可能となる。
【全1巻】新組+編集復刻版
造 本―A5判・310頁・糸上製函
刊行時期―2012年5月
価 格―19,000円 ISBN9784907789-81-7