* 文圃文献類従 23 * [編集復刻版] 稲岡 勝―編・解題

明治十年代の新刊情報誌―『出版新報』と『出版月報』と


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近代出版史上の転回点・明治二十年、そこに連なる明治十年代を展望―

 明治十年代後半になると出版量が増大し、それにつれて読者の側では購読の指針を強く求めた。ここに従来の単なるリストではなく、内容紹介を兼ねた速報の出現が期待された。 

 

予約出版方法

 予約出版は出版社と読者との直接の関わりを重視し、近世的出版界の末端機構(売捌きや貸本屋など)を回避するところに基盤を求めた。新聞・郵便など従来なかった流通方法により、新たなルールを確立させ読者を囲い込み、長く緩やかに「社員」として結集させる仕組みを作った(ロバート・キャンベル)。「予約出版」関係参考記事多数の本文、他『同盟出版方法書並第一回出版書目』を資料として附録。

内容紹介・目録

 西南戦争後、新聞発行の倍増によりにわかに膨張した印刷力と用紙の生産が大幅な余剰を生じ、それが明治十年代半ばの書籍刊行点数の増加をもたらした。そこに内容紹介付新刊情報誌『出版新報』/『出版月報』が出現し、読者は購読の指針を得た。附録の出版目録では、自社出版物のほかに、取扱他社の書目も掲載。出版社は未だ専業ではなく、書籍の売捌きもする書店/書籍商でもあったということを語る。

解題

 これまで研究がほとんどなかった明治前期の巨大な印刷系出版書籍商・博聞社。その出版活動が今回、編者の史資料発掘を通じて明らかになる。

 

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明治十年代の新刊情報誌―『出版新報』と『出版月報』と

【全巻】収録内容(復刻版)

【第1巻】360

◎『出版新報』第134号(博聞社、188410月~18877月)

*附録資料=総目次

【第2巻】408

◎『出版月報』第18/1011/13号並びに48/10/11/13号附録(岡島宝玉堂、18862月~18872月)

*附録資料=①『同盟出版方法書並第一回出版書目(明治16年)』②『博聞社発行書目抄録〔明治25年推定〕』『博聞社発行書目(明治27年)』③解題

 

編  集稲岡 勝

原本提供―東京大学大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫

造  本A5判・糸上製函・768

刊行時期20118

価  格44,000円(揃価) ISBN9784907789-80-0