歴史の史資料として出遅れた週刊誌へのアクセスを容易にし、
当時の人びとの「心性」に接近。
戦争末期から1951年4月までの期間に関しては、全国各地の公共図書館、大学図書館はもちろん、国立国会図書館ですら所蔵されていない週刊誌が数多く存在する。本書は、こうした問題意識から出発し、戦後占領期の『週刊朝日』の全貌を明らかにすることをめざしたものである。
●上巻『週刊朝日』総目次(1945年9月~1949年12月)
序(石川巧)
〈総論〉牧 義之「『週刊朝日』における検閲」
〈総論〉石井 花奈「『週刊朝日』北海道版 解題」
〈総論〉松本 拓真「占領期『週刊朝日』の発行および所蔵状況」
1945年解説―戦後日本のはじまり(牧義之)
1946年解説―「ブロンディ」と転換(渡部裕太)
1947年解説―社会党内閣の誕生(仲井眞建一)
1948 年解説―スクープ! 山崎富栄日記(須山智裕)
1949年解説―復興の道程(河田綾)
●下巻『週刊朝日』総目次(1950年1月~1952年5月4日、北海道版含)
1950年解説―冷戦体制と朝鮮戦争(泉渓春)
1951年解説―読者開拓、百万部雑誌への一歩(石川偉子)
1952年解説―音で綴る占領期の終わり(松本拓真)
〈コラム〉斎藤茂吉・南原繁―『週刊朝日』と「歌人」(瀬口真司)
〈コラム〉扇谷正造の『週刊朝日』表紙戦略と戦後洋裁ブーム(村松まりあ)
〈コラム〉「帝銀事件」と『週刊朝日』推理小説作家(王羽萌)
〈コラム〉「湯の町エレジー」温泉考―占領期『週刊朝日』に見る温泉場の一側面(安藤史帆)
〈コラム〉『週刊朝日』は戦犯裁判をどう見たのか(金子聖奈)
〈コラム〉占領期の“パチモン”療法(濱下知里)
あとがき(石川巧)
●別冊
執筆者名索引(五十音順)、編著者一覧
編 集 代 表―石川巧(立教大学)
編 著―石川巧、安藤史帆、石井花奈、石川偉子、泉渓春、河田綾、金子聖奈、須山智裕、瀬口真司、仲井眞建一、牛路遥、濱下知里、牧義之、松本拓真、村松まりあ、渡部裕太、王羽萌
造 本―A5判・並製・総約800頁
価 格―42,000円(別冊のみ分売可2,000円)
刊 記―2022年11月 ISBN978-4-910363-71-4